元外国籍が理由の入会拒否に許容の判決 2023年04月25日
2022年5月に岐阜の愛岐カントリークラブへの入会を断られた40代男性が、元韓国籍の出自を理由に断られ精神的損害を被ったと慰謝料を求めた訴訟で、2023年4月19日違法性は認められないと原告の請求は棄却された。
男性は3世の在日韓国人だったが日本国籍を取得し入会を申し込んだが、元外国籍の枠が空かないことから「残念ながら今回はご希望に沿えません」と拒否された。男性側は出自を理由とした不当な差別を主張し慰謝料を求めていた。
毎日新聞では判決文から、クラブ側の「元外国籍であることが入会拒否の唯一の理由ではない」という主張を退け、入会拒否は元外国籍であることが理由だと認めたと引用。一方クラブは「会員同士の人的つながりが強い閉鎖的かつ私的な団体」だと指摘、「平等の権利への侵害の程度は憲法の趣旨に照らし、社会的に許容しうる限界をこえるとは認められない」との判決理由を報じた。
中日新聞は判決文から、「会員による自主的運営が行われている閉鎖的かつ私的な団体」、「入会を認めるかの決定は理事会の裁量に委ねられている」と掲載。「憲法の規定に照らして社会的に許容しうる限度を超えるものとまでは認められない」との判決理由を掲載。また男性側代理人弁護士はの「人種差別撤廃条約に照らし違法行為とした三重県弁護士会の考えと逆の判断が下って非常に残念。日本国籍取得者の入会拒否は私的自治の許される範囲でない」とのコメントも紹介。
男性側は判決不服として控訴する方針。
2002年7月に千葉県のクラブの入会拒否判決で最高裁は、私的な団体は結社の自由から国籍制限も可とし、国籍による入会拒否は許容範囲との判断を下している。